粗利益と限界利益のちがい

『粗利益』と『限界利益』。

特に意識せず同じ意味で使われていることもあり、

混乱してしまうときもありますが、

どんな違いがあるのか、簡単にまとめてみました。

 粗利益とは?

粗利益とは、売上高総利益とも呼ばれます。 
よく見る『損益計算書』に出てくる利益のうちの1つで
売上高から売上原価を引いて計算します。
  粗利益=売上高-売上原価

 

粗利は、仕入値と売値の差額であり、
付加価値を表しているともいわれます。

上の図の(変24 固6)といった値は、
変動費と固定費の内訳を表しています。
たとえば小売業であれば、
売上原価の全額が、売上高に比例して増減する『変動費』ですが、

製造業などは、工場の賃料や減価償却費など、
生産を行わなくても経費計上される『固定費』が含まれます。

また、販管費にも商品の発送費など変動費が含まれることがあります。

 限界利益とは?

限界利益とは、売上高から変動費だけを差し引いて計算されます。

 限界利益=売上高-変動費

この変動費は、売上原価・販管費に含まれる変動費の合計額です。
限界利益は、『変動損益計算書』に出てくる利益の1つです。

変動損益計算書は、
売上原価・販管費・支払利息を『変動費』と『固定費』にわけて作成します。
上の損益計算書と同じ数字を使って作成すると、次のようになります。

この表は、経営により役立つ数字を提供してくれて
たとえば、
いくら売上を上げれば、経常利益がプラスになるか
つまり赤字にならないかという数値である
『損益分岐点売上高』の計算に便利です。

上の表の場合、
限界利益=固定費=50のとき、
経常利益は0になります。

変動比率は34%なので、限界利益が50となる
損益分岐点売上高は、147になります。
 限界利益50÷変動比率34%=売上高147

 どちらが使いやすい?

決算の際に作成するのは、『損益計算書』です。
『変動損益計算書』は作成する必要はありません。
そのため、自社の『粗利』は知っていても
『限界利益』を知らない経営者の方も多いと思います。

それでも、わざわざ『変動損益計算書』を作成するのは、
経営の分析、目標の設定や利益予測に使いやすいから。

<損益計算書のイメージ図>

損益計算書では、売上が110になったときに、
売上原価・販管費がいくらになるかは、パッとわかりません。

 

<変動損益計算書のイメージ図>

一方、変動損益計算書では、
売上が10%UPすれば、変動費も10%UPします。
固定費は変わらずなので…

 →限界利益72.6 経常利益22.6 と簡単に計算できます。

 まとめ

粗利益 と 限界利益は、似ているようで、
正確にはその計算の方法が異なります。

変動費、固定費にわけて、
限界利益、変動損益計算書を作成することで、
経営分析や目標設定、利益予測をより具体的に行えるようになります。