役員報酬額の決め方。相場はいくら?
法人税のルールによって、役員報酬を変更できるのは基本的に年に1度。
定時株主総会やその後の取締役会の時だけです。
いくらにすればいいのか悩みますよね。
役員報酬の額の決め方について、考えてみます。
1.会社の利益をもとに考える
役員の仕事は、利益を出し、会社を存続させること。
利益が出ていなければ、役員報酬を払うこともできません。
利益から役員報酬を除いた金額に、割合を掛けて決める方法があります。
たとえば
今期目標が 売上目標1億円、経費8千万円 であれば
(1億円ー8000万円)×50%=1000万円
今期目標ではなく、前期実績でも同じ考え方です。
会社の利益が役員報酬に直結するので、モチベーションの維持ができるかも
2.時給(月給)換算で考える
社長といっても、利益が無いからといってタダ働きはできないですよね。
1日10時間、月5日(年間60日)休みとすると、
年間の労働時間は、3050時間
=10時間×(365-60)日
時給で考えると
時給1,000円 305万円
時給2,000円 610万円
時給3,000円 915万円
役員報酬1000万円を目指そうと思えば
時給3,000円以上の働きはしないといけません。
3.相場から考える
中小企業・小規模企業の役員報酬って、いくらくらいでしょう?
参考となる資料が国税庁から公表されています。
「民間給与実態調査結果」です。
H30年の調査結果から
資本金2000万円未満のデータをグラフにしてみました。
縦軸:人数(万人)
横軸:年間役員報酬(百万円以下)
※右端のみ、2500万円超
社長や専務、家族役員などすべて含まれたデータなので、
「経営者」としての実態は分かりにくくなっており、
1番多いのは、200万円~300万円が25万人います。
一方、1000万円を超える経営者も全国に25万人います。
資本金2000万円未満の比較的小さい会社でも、
役員報酬1000万円超を目指せそうだと思えてきますよね。
4.社員に開示できる金額か
会社をずっと続けていくためには、従業員の協力が不可欠です。
中小企業・小規模企業にとって、
人件費の負担は大きく、相場より高い給与設定にするのは難しいと思います。
けれど、経営者の方と従業員の方は、仕事の役割も責任も違いますが、
後ろめたさから、従業員の方に開示できないような金額に設定していると、
長い目でみると会社の風通しは悪くなり、業績にも影響しそうです。
5.まとめ
役員報酬の額の決め方は、経営者が100人いれば100個の考え方があると思います。
これが正解というものは無いので、
役員の生活、会社の継続、社員との関係など
バランスを取れた金額を見つけていきたいですね。