法人の交際費も2年間延長!
法人の『交際費』については、
景気動向などによって、頻繁に改正があるので注意が必要です。
平成30年度税制改正において、
現行の交際費についてのルールが2020年3月31日まで延長されました。
1.なにが交際費になる?
『交際費』といっても人によって捉え方がちがいます。
法人税法では、次のようなものが『交際費』にあたると決められています。
○交際費に該当するもの
得意先や仕入れ先、従業員またはその家族、その他事業に関係のある人に対して・・・
供応:酒や食事を出してもてなす
慰安:旅行などにいって労をねぎらう
贈答:物を贈る
慶弔:見舞金を渡す(従業員またはその家族は除く)
○交際費に該当しないもの
・従業員の慰安のための運動会、演芸会、旅行等
・得意先など(自社の役員・従業員だけの場合を除く)とおこなった
1人5,000円以下の飲食代
・カレンダー、手帳、うちわなど、『会社名』が入った宣伝目的なもの
・会議のときに出した弁当代や茶菓子など
決められていると言ってもまだまだ判断に迷うところです。
表現が悪いですが、
(取引を円滑にするために)『お礼をした、おごった、プレゼントした』
という感覚が少しでも入っていれば、『交際費』に該当すると考えられます。
2.交際費は、全額が費用にならない?
理解して頂くために、
法人税のルールついて、1つだけお伝えします
それは、会計と税務の違いについてです。
法人税の計算は、損益計算書の『利益』をもとに行います。
しかし、
たとえば「交通反則金」など、
会計では費用に計上できるけど、
税務では計上できない、という支出があります。
法人税の計算をする際には、
基本的には、「利益」をもとにするのですが、
税金の計算上は、計上できない支出があるため、
その調整をして、税金が課される「所得」を計算します。
「利益」と「所得」の違いを明確にするため、
次のようなコトバが使われています。
(会計)利益=収益-費用
(税務)所得=益金-損金
「交際費」は、経営者が散財をして利益調整をする可能性などがあるため
会計上は、全額「費用」になりますが、
税務上は、「損金」に計上できる額にルールがあります。
そのルールが今回2年間延長されました。
3.法人税の交際費のルール
2020年3月31日まで延長されたルール
交際費のうち、次のどちらか多い額を超えると損金に計上できません。
・飲食接待費の50%
・年間800万円
スモールビジネスをされている法人であれば、
年間800万円を交際費に支出することは、
あまりないと思います。
つまりは、小規模企業については、「交際費」をほとんど気にすることはありません。
4.まとめ
『会計上の利益』と『税務上の所得』は、異なります。
支払いをした分だけ、法人税が減るかどうかは、
『損金』に算入できるかで変わってきます。
『損金』というコトバは、必ず出てきますので
法人税の話を聞く場合には、注意してみてくださいね。