安易な節税で負担増? 生命保険料の負担者について

共働き世帯だと年末調整や確定申告の際に、こんな事ありませんか?

妻の生命保険料控除の枠が余ってるから、

妻が払ったことにして、妻で生命保険料控除を受けてしまおう。

 

生命保険料控除は実際に保険料を負担した人が受けられる制度なので、

厳密にいえば、ダメなんですが、ついやってしまってることも多いと思います。

 たとえば自動車で10km/hの速度オーバーでも捕まることもありますよね。
 普段グレーだと思ってるけど、厳密にはクロ。そんなイメージです。

そんな節税になると思ってやってることが、

後々になって税金の負担増となるリスクがあることを知ってますか?

 

 生命保険料控除には、生命保険、介護保険、個人年金保険がありますが、
 まとめて説明すると複雑になってしまうので、今回は生命保険に限定します。
 また、リスクを強調するという都合上、養老保険を前提に説明していきます。

 前提条件:
  死亡保険金・満期受取金 1,000万円
  支払保険料 36万円
  契約者:夫(現在:30歳)
  保険料負担者:夫
  満期受取人:夫(60歳の時)
  死亡受取人:子(受取時20歳以上)
  

保険料支払い時。所得税は負担減

 

実際には、夫が払っている保険料を妻が負担したことにします。
(厳密には脱税。ダメです。)

養老保険なので保険料が高く、生命保険料控除を満額受けられます。

これによる節税額は、所得税・住民税合わせて年間5,500円です。

所得税率は最低の5%で計算しています。

税率、所得などが変わらない場合、

満期時までの30年間だと累計で165,000円の節税になります。

満期受取金は贈与!

夫が支払った養老保険の満期受取金1000万円。

本来であれば、夫が払った分を夫が受け取っただけなので、

配当部分だけが一時所得の対象となります。

現在の低金利では、返戻率が100%を切る商品が多く(保険料>受取金)

その場合は一時所得なしとなります。

 

保険料を妻が払っていたのであれば、

夫が受け取った満期受取金1000万円は、妻から夫への贈与です!

平成29年の税率で計算すると、贈与税231万円になります。

死亡保険金は相続税?

満期になる前に亡くなり、
夫の死亡保険金を子が受け取ります。

 

夫が保険料を支払っていたのであれば、

死亡保険金は相続税の対象です。

法定相続人1人当たり500万円まで非課税となるため、

死亡保険金1000万円は非課税です!

 500万円×2人(妻・子)=1000万円

 

妻が払っていたら・・・?

妻が保険料を払って、子が死亡保険金1000万円受け取った。

この場合も贈与となり、贈与税177万円です。

なお、親から子(20歳以上)への贈与は妻から夫の場合と税額が異なります。

まとめ

所得税が節税になるからって、生命保険料控除を家族へ付け替えたりしていませんか?

厳密には脱税です。

また生命保険は、保険料の負担者と受取人の関係によって扱いが大きく異なります。

多額の贈与税を納めることになると、

本来意図した保険の効果が十分に発揮されなくなってしまうので注意が必要です。


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