所得税率より低いって本当?法人税率について。

所得税は税率が高いから、法人化した方が税率低くて有利!

なんて話聞いたことないですか?

税額を減らしてくれるいろいろな制度(特例)があるため、

単純な比較はできませんが、

特例を考慮せず、簡単に法人税額を計算してみました。


 ※条件
  資本金1億円未満
  平成26年10月1日~平成31年3月31日までの間に開始する事業年度
  地方税は標準税率で計算(道府県・市町村によって税率が異なる場合があります。)

法人税等は、6種類もある。

法人の利益に対して掛かる税金は、6種類あります。
 法人税・地方法人税・法人府民税・法人市民税・事業税・地方法人特別税

だいぶややこしいですが、
6種類の税金は、3つにわけられます。
 課税所得(当期純利益をもとに計算)に税率を掛けるもの
 ②法人税額(課税所得×法人税率)にさらに税率を掛けるもの
 ③事業税額(課税所得×事業税率)にさらに税率をかけるもの

①課税所得に税率を掛けるもの
 法人税・事業税

②法人税額に税率を掛けるもの
 地方法人税・法人府民税・法人市民税

③事業税額に税率を掛けるもの
 地方法人特別税

たとえば、課税所得100万円とすると、
 法人市民税の税率は9.7%ですが、
 課税所得100万円に税率を掛けるのではなく、
  × 1,000,000円×9.7%=97,000円
 法人税額(課税所得×法人税率)に税率を掛けることになります。
  〇 1,000,000円×15%(法人税率)×9.7%=14,550円 

 法人市民税は、課税所得(≒利益)に対する割合でいうと
 1.455%(=15%×9.7%)になります。

意外と低い?実効税率は20%代

前提として、資本金1億円以下という条件はつきますが、

実効税率は20%代です。(課税所得2000万円まで)

(縦軸:法定実効税率、横軸:課税所得)

課税所得100万円単位のプロットです。
法人税の特例(15%)が使えなくなる800万円超から急激に実効税率があがっているのがわかります。

課税所得800万円で、法定実効税率約22%になります。

個人事業主の場合、課税所得800万円で住民税、事業税合わせて30%弱くらいです。

税率だけ考えると法人の方が有利になる可能性が高いです。

利益が多いと節税が効果的!

税率表を見ていただくとわかるのですが、

課税所得が800万円を超えると税率が一番高くなります!

所得税の超過累進税率と同じで、

800万円を超えた部分にだけ高い税率が適用されます。

 

たとえば課税所得が1200万円とします。
この場合、税金は337万円(約28%)です。

400万円ごとに税率が上がっていくので、

400万円ごとに分けて税額を計算すると、

 0~400万円:89万円(約22%)

 400万円~800万円:100万円(約25%)

 800万円~1200万円:148万円(約37%)

となります。

全体としては1200万円に対して、約28%の税金が掛かることになりますが、
このうち、800万円超の400万円には高い税率約37%)が適用されます。

したがって

同じ節税策でも所得の違いによって効果が異なります!

まとめ

法人の利益に対する税率は、個人事業主に比べ、
最高税率が低く抑えられています。

特に800万円以下では約22%に抑えられており、
個人事業主に比べ有利です。

また、800万円を超える部分については
高い税率(約37%)が適用されるため、節税策がより有効に働きます。

※注意点
 平成31年4月1日以後 法人税率が変更となります。
 平成31年10月1日以後 地方法人特別税が廃止され、その他の税率が増額されます。
 (合計額としては、さほど変わらない水準になると思われます。)
 法人化する際は、法人税率だけでなく、社会保険料の負担等、他の条件も多々ありますので、
 顧問税理士にご相談ください。